撮影自社の商品の動画にモデルさんの出演をお願いしている方や、これからモデルさんを起用した撮影を検討している方に向けて、撮影の前に決めておきたい段取りを5つにまとめます。
モデルさんの撮影は、撮り直しがききません。その日、その時間にしか撮れないからです。長く撮影を続けてきた私たちにとっても、いちばん緊張する撮影のひとつです。当日の仕上がりは、撮る前の段取りでほとんど決まります。
1. 集合時刻と、撮影開始の時刻を分ける
「10時集合、10時から撮影」。この組み方をすると、撮影は最初から押していきます。
モデルさんが到着してから、着替え、ヘアメイク、その日に撮る内容の説明、マイクの装着、動きの確認。ここまで済んで、ようやく1カット目です。
しかも、仕上がりが数秒のカットでも、撮影は数秒では終わりません。説明、リハーサル、録画、確認、修正、元の状態に戻す。ここまで含めて、はじめて1カットです。集合時刻と撮影開始の時刻は分けて、準備の時間を撮影の時間に含めないようにします。
2. 服が汚れるかもしれない撮影は、最後にまわす
以前、モデルさんが商品を手に取って説明するカットより先に、試食のシーンを撮影したことがあります。何度か食べてもらううちに、シャツの胸元にソースが一滴。まだ撮っていなかったのは、いちばん大切な"商品説明のカット"でした。そういうときに限って、替えのシャツは用意していません。焦りました。
それ以来、撮影の順番を決めるときは、次のことを前提にしています。
- 商品を持つカット、説明のカットを先に撮る
- 汁はねや粉、油がつく試食や実演は、最後に撮る
- 汚れそうな衣装は、替えをもう1着用意しておく
汚れる前に撮れるものは、汚れる前にすべて撮っておきます。
3. 試食は「食べられるか」から確かめる
「食品の撮影です」とだけ伝えていると、当日になって、その料理が食べられないとわかることがあります。アレルギー、食習慣、苦手なもの。
しかも、試食は1回では終わりません。ひと口が少なくても、テイクを重ねれば、食べる量は増えていきます。撮る前に、次のことを決めておきます。
- 食べてもらう料理と食材を伝えて、食べられるかを確かめる
- 試食の回数を見込んで、水や口元を整えるものを用意する
- 毎回すべて飲み込む前提で、進行を組まない
無理なく食べられる段取りが、いちばん自然な表情につながります。
4. 指示は、ひとつの窓口から"動作"で伝える
発注する会社のご担当者、監督、カメラマン。現場には、モデルさんに伝えたいことがある人が大勢います。何人もが直接声をかけると、モデルさんは何を優先すればいいのか迷ってしまいます。
また、「もっと自然に」「もっと美味しそうに」だけでは、どこをどう直せばいいのかがわかりません。
- 要望は一度まとめて、伝える人をひとりに決める
- 「ひと口を小さく」「食べたあとに視線を上げる」など、すぐ実行できる動作で伝える
- 一度に直すのは、ひとつだけ
「もっと美味しそうに」ではなく、「ひと口を小さく」と伝えます。
5. モデルさんが帰る前に、"使えるテイク"まで確かめる
着替えたあとや、モデルさんが帰ったあとで「手元の寄りが足りない」と気づいても、もう撮れません。撮影済みの印がついていても、使えるテイクがあるとは限りません。
ピントは合っているか。音声は入っているか。衣装は、前後のカットとつながっているか。
- 衣装ごとに、顔あり・手元・商品を持つカット・動作の前後がそろっているかを確かめる
- 終わる前に、必ず使うカットを再生して確かめる
「撮った」ではなく、「使える」を確かめてから終わります。
撮影の前に決めておく4つのこと
- 次の撮影のスケジュールで、集合時刻と撮影開始の時刻を分ける
- 撮る順番を「汚れないカット → 汚れるカット」に並べ替える
- モデルさんに、食べてもらう料理と食材を先に伝える
- 当日、モデルさんに指示を伝える人をひとりに決めておく
映像はAIでもつくれるようになりましたが、人に出ていただく撮影の段取りは、昔も今も変わりません。まずは次の撮影の予定表で、集合時刻と撮影開始の時刻を分けるところから始めてみてください。モデルさんを起用した撮影の組み方で迷ったら、お気軽にご相談ください。
商品と、今困っていることを送ってください。担当者からメールでご連絡します。
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