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動画の初稿が「ちょっと弱い」とき、演出を直す前に確かめる3つのこと

見直し

動画の初稿を見て「ちょっと弱い」と感じたとき、足りないのは、たいていテロップや音楽、カットの速さといった演出ではありません。足りないのは「その商品を選ぶ理由」だと、私たちは考えています。

「もう一段強くしたい」と言われて

ある商品の動画で、初稿をお見せしたときに「もう一段強くしたい」とご要望をいただきました。

そこで私たちは、テロップの文字を大きくし、音楽を盛り上げ、カットを速めてテンポを上げました。動画の見た目は、たしかに強くなりました。それでも、いただいた答えは「まだ違う」でした。

二度直して、二度とも外した

もう一度演出を強めましたが、修正は通りませんでした。二度とも、動画の見た目を強くする方向で直していたのです。「弱い」と言われたら演出を強めればいい。そう思い込んでいました。

演出を強めると、かえって読みやすさが崩れることもあります。テンポを上げようとカットを短くしたら、次の確認で「文字を読み終わる前に切り替わりますね」と言われたこともありました。そこで、あらためてお話を聞き直すことにしました。

弱かったのは、商品を選ぶ理由だった

聞き直してわかったのは、弱かったのは演出ではなく、「この商品を選ぶ理由」だったということです。ほかの商品ではなく、なぜこれなのか。その答えが、動画の中で伝わっていませんでした。

見た目を強めた二度分の修正は元に戻し、直したのは動画の中のコピーを一文だけです。実際の一文は商品が特定されるため書けませんが、たとえば次のような直し方です。

直す前の一文は、どの商品の動画に入っていてもおかしくありません。直したあとの一文は、この商品にしか言えません。飲み忘れが多い50代〜60代の男性が見れば、「これは自分のための商品だ」と受け取れます。

ほかの商品と並べられたときに選ぶ理由になるのは、見ている人が自分ごととして受け取れる一文です。動画は、その修正で通りました。

「弱い」は、言葉にしにくい感覚

いま振り返ると、「もう一段強く」はとても正直な言い方でした。何かが足りない。でも、それが何なのかはうまく言葉にならない。だから「強く」という言い方になる。

それで、いいのだと思います。発注する側が、足りないものを正確に説明しなければならないわけではありません。感じたことをすぐに言葉にできる人ばかりでもありません。それを聞き出して言葉にするのは、私たちつくる側の仕事です。

この「言葉にならない」は、商品をよく知っている人ほど起きやすいようです。以前、動画の初稿を別の部署の方に見ていただいたとき、「これは、いったい何に使うものですか?」と聞かれたことがあります。

つくる側の私たちは、その商品を何百回も見ています。詳しくなるほど、「ここは説明しなくても伝わるだろう」と思い込んでしまいます。商品を選ぶ理由も、同じように抜け落ちます。その商品をいちばんよく知っている人ほど、当たり前すぎて、それが動画に入っていないことに気づきにくいのです。

強くしたいときに起きる、もうひとつのこと

「弱い」と感じたときによく起きるのが、"単純に情報を足す"ことです。

特別価格の表示を大きくすると、送料無料も目立たせたくなる。送料無料を目立たせると、今度は特典が埋もれる。すべての表示に色と動きをつけた結果、どこから見ればいいのかわからない画面になったことがあります。確認の場で出たのは、「言いたいことは全部入ってるんですけどね……」という言葉でした。

文字が増えると、映像の側が削られます。説明、価格、電話番号、注釈と、必要な情報を足していった結果、肝心の使っている場面が、画面の中でいちばん小さくなってしまったこともありました。演出を強めても、情報を足しても、商品を選ぶ理由が伝わっていなければ、動画は強くなりません。

見た目が強い動画と、反応が出た動画は別だった

ひとつの商品で、構成の違う動画を2本用意したことがあります。1本は、映像も音も洗練された、私たちが気に入っていた動画。もう1本は、悩みと使い方を率直に伝える、少し地味な構成の動画です。配信のあと、反応がよかったのは地味な動画のほうだったと聞きました。

放送枠や出稿の条件も違っていたので、映像の違いだけが理由だとは言い切れません。それでも少なくとも、見た目を強くすれば反応が上がる、とは言えないと考えています。

演出を直す前に、選ぶ理由を一文で書く

初稿を見て「ちょっと弱い」と感じたら、演出に手を入れる前に、ひとつ試してみてください。この商品を選ぶ理由を、一文で書いてみることです。比較の候補に入ったあと、ほかの商品ではなく、これを選んでもらうための一文です。

書けたら、その一文が動画の中にあるかを探します。あれば、弱いのは本当に演出なのかもしれません。なければ、直すのは演出ではなく、その一文です。書けなかったときは、動画を直す前に、その一文を探すところから始めます。

初稿を確かめるときの3つの手順

  1. 動画の初稿は、その商品を知らない人にも見てもらう
  2. 「弱い」と感じたら、この商品を選ぶ理由を一文で書く
  3. その一文が動画の中にあるかを探し、なければ修正の依頼に添える

どれも費用をかけずにできます。修正の回数は、この一文で変わります。

次に初稿を確認するときは、まず「選ぶ理由」の一文を手元に用意してみてください。その一文がなかなか書けないときも、お気軽にご相談ください。

自社の商品で、どの動画から作るか迷ったら。

商品と、今困っていることを送ってください。担当者からメールでご連絡します。

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