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美顔器の実演が撮れなかった失敗から。実演カットを撮る前に決める2つのこと

撮影

うまくいかなかった撮影の話から始めます。

使ったあとの変化が、画に出せなかった

大手メーカーの美顔器の動画で、実演シーンを撮影したときのことです。顔にあててマッサージをし、そのあとに使ったあとの顔の変化を見せる。そのシーンが、動画の山場でした。

当日は十分に時間をかけて施術を行い、そのあとに撮影しました。それでも、見てわかるほどの差を画に出すことはできませんでした。

現場では「手応えが薄い」とわかっていた

撮影の現場には、手応えの感覚のようなものがあります。今日はいい画が撮れた、今日は手応えが薄い。モニターを細かく見返さなくても、だいたいわかるものです。

あの日は、その感覚がはっきり反応していました。納得はしていなかったのです。ただ、押さえていた枠はその日まででした。モデルさんもスタジオも、翌日はありません。

時間がなかったといえば、そのとおりです。けれど、予定を延ばしてでも撮り直す判断もできました。このまま進めるか、撮り直すか。進めると決めたのは、私たちです。

再生は伸びた。けれど商品は売れなかった

動画は公開され、再生回数も伸びました。けれど、商品は売れませんでした。原因はあの数秒にあったと、いまも考えています。

そもそも、1日で撮ること自体に無理があった

振り返れば、当たり前のことでした。マッサージの直後に見える変化は一時的なもので、しばらくすると元に戻ります。ビフォーアフターとして見せるなら、数日は使っていただく必要があります。ビフォーを撮る日と、アフターを撮る日は、本来分かれるのです。

それを、1日の撮影に収めようとしていました。現場で迷っていたのは撮り直すかどうかでしたが、本当に考えるべきだったのは、もっと手前です。撮影日を1日で組んだ時点で、結果は決まっていました。

「準備八割、現場二割」。私たちがこの言葉を身にしみて感じたのは、こうした失敗があったからです。

実演は、言ったことをその場で証明する場面

台本の前半で「こうなります」と伝え、実演でそれを目の前で見せる。実演は、そういう場面です。だからこそ、実演が崩れると、それまでに積み上げた信用まで失います。

「さっき言っていたのは、本当なのか」。見る人がそう感じた時点で、判断は止まります。その先のスペックや成分の説明は、もう届きません。

実演カットで、撮影前に決める2つのこと

1つめは、そのカットで何を証明するのかです。「使っている時間の心地よさ」を見せるのか、「使ったあとの様子」を見せるのか。似ているようで、撮り方が変わります。前者なら手元と表情、後者なら角度と光が大切になります。

2つめは、どんな条件で撮るのかです。角度、光、表情、撮る時間帯。実演は、条件がそろってはじめて同じ結果になります。

この2つは、撮影の前に決めておきます。当日に決めようとすると、うまくいかなかったときに立て直す余地がありません。

ビフォーアフターは、条件をそろえてはじめて伝わる

日を分けて撮ると、今度は条件をそろえるのが難しくなります。そろえたいのは、次の3つです。

この3つがそろっていないと、見る人は「角度が違うだけでは」と感じます。そう思われた時点で、そのカットは証明ではなく、2枚の画をただ並べただけになります。反対に、条件さえそろっていれば、演出を加えなくても、並べるだけで伝わります。

化粧品や美容機器は、実演にも線がある

化粧品や美容機器は、言い換えの自由度が低いジャンルです。「肌が変わります」と言えないのと同じように、実演でも変化を言い切る見せ方はできません。

私たちはテレビでの放送も扱うため、放送前の考査を通すことを前提に設計します。考査は、薬機法のラインよりもさらに手前で止まります。

そのため、実演は変化ではなく使用感に寄せます。テクスチャーの伸び、肌に乗ったときの光。変化そのものではなく、使っている時間を描くのです。証明するものを最初から使用感に置いておけば、思うようにいかない日があっても、カットは生きます。

「何か引っかかる」は、そのまま伝えてください

上がってきた動画を見て、うまく言葉にはできないけれど、何か引っかかる。プロがつくったものだからと、そのまま飲み込んでしまう。そういうことは、珍しくないと思います。

その感覚は、たいてい当たっています。私たちも現場で同じものを感じていて、それでも進めてしまうことがあるからです。「ここ、何か引っかかります」とだけ伝えていただければ十分です。どこがどう、と説明していただく必要はありません。場所さえわかれば、原因は私たちが探します。

発注の段階で、聞いておけることもあります。「ビフォーとアフターは、同じ日に撮りますか」。同じ日だという答えなら、いったん立ち止まってください。見せたい変化が、その日のうちに出るものなのか。それを先に確かめておくだけで、現場の悩みの半分は片づきます。

撮影の前に、発注する側でもできること

  1. 台本から、実演が入るカットを抜き出す
  2. それぞれに「何を証明するカットか」を1行で書く
  3. ビフォーアフターがあるなら、撮影日が分かれているかを確かめる

現場で慌てるかどうかは、この3つでかなり変わります。

まずは台本の実演カットに、「何を証明するか」を1行ずつ書き添えてみてください。実演の見せ方や撮影日の組み方で迷ったら、お気軽にご相談ください。

自社の商品で、どの動画から作るか迷ったら。

商品と、今困っていることを送ってください。担当者からメールでご連絡します。

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