撮影社内で自社のオリジナル商品を撮っている方や、これから撮影を検討している方に向けて、食品を撮る前に決めておきたいことを5つにまとめます。
「準備八割、現場二割」。2009年から通販動画の撮影を続けてきた私たちが、いちばん実感している言葉です。食品の撮影には、この言葉がとくによく当てはまります。料理はできあがった瞬間から湯気が消えはじめ、つやが引いていきます。当日に考えている時間は、ほとんどありません。
動画生成AIで作業が速くなった今も、この順番は変わりません。
1. 伝えたい魅力を、先にひとつ決める
撮り始める前に、まず決めるのは「何を見せたいか」です。形なのか、質感なのか、食べ方なのか、美味しさなのか。
「せっかくなら、全部見せたい」と思うのは自然なことです。ただ、伝えたいことが決まっていないと、光の当て方もカメラの角度も決められません。
たとえば、サクッとした衣が主役なら、横から光を当てて衣の凹凸を見せる。とろみが主役なら、すくう動きを撮る。伝えたいことをひとつに絞ると、撮り方は自然と決まってきます。
2. 必要なカットを、撮る前に書き出す
撮影の当日に「何を撮ろうか」と考え始めると、どうしても主役のアップばかりが増えていきます。
私たちの現場でも、「時間がないので」と追加の撮影を省いたことがありました。編集してみると、つなぎ目を隠す映像が足りず、同じ商品のアップが何度も出てくることに。そんなときに限って、編集の担当から「あの手元のシーン、ありませんか」と聞かれるのです。焦りました。
ですから撮る前に、次のカットを書き出しておきます。
- 料理全体がわかるカット
- 寄りのカット
- 断面や照り、湯気のディテール
- 手元や食卓など、食べている場面
この4つがそろっていれば、編集の担当がスムーズに組み立てられます。
3. 光と構図は、仮の器で決めておく
料理ができてから光や構図を考え始めると、いちばん美味しそうな瞬間を逃してしまいます。器を選び、光を決めているうちに、湯気は消え、葉物はしおれ、つやも引いていきます。
料理が届く前に、次のことを済ませておきます。
- 仮の器で、構図と光を決める
- ピントの位置も合わせておく
- 本番の料理を置いたら、すぐに録画できる状態にする
本番の器は、つやを抑えたマットなお皿がおすすめです。ライトが映り込みにくく、見ている人の目が料理のほうに集まります。料理ができるのを待つのではなく、"すぐ撮れる状態で待ち構える"のが基本です。
4. 撮る順番は、見た目が変わりやすいものから
「台本の1カット目から、順番に撮っていこう」と考えるのも自然です。けれど食品は、待っているあいだにも見た目が変わります。アイスは溶け、揚げ物は衣がしんなりし、湯気のある料理は冷めていきます。
撮影の順番は、見た目が変わりやすい料理から決めます。編集で並べる順番と、撮る順番は、分けて考えてかまいません。
5. "一発勝負"のカットには、予備を用意する
卵を割る。ソースをかける。断面を見せるために切る。こうした動作は、一度やると元に戻せません。撮る前に、次の2つを決めておきます。
- 同じ食材と同じ盛り付けを、もう1回分用意しておく
- 切る・割る前に、できあがった姿を先に撮っておく
うまくいかなかったときに"もう一度やれる状態"にしておくことが、いちばんの保険になります。
撮影の前日までにできる4つのこと
- 次に撮る食品で、伝えたいことをひとつに絞って書き出す
- 撮りたいカットを、全体・寄り・ディテール・食べている場面の4つに分けて書き出す
- 撮る順番を、見た目が変わりやすいものから並べ直す
- "一発勝負"のカットを洗い出し、予備の食材を買い物リストに入れる
まずは、次に撮る食品で伝えたいことを、ひとつだけ書き出してみてください。自社の商品の撮影をどう組むか迷ったら、お気軽にご相談ください。
商品と、今困っていることを送ってください。担当者からメールでご連絡します。
動画の相談をする