動画の基本ネットのアクセスの半分以上は、すでに人間ではありません。
セキュリティ企業Impervaの2026年のレポートによると、Webのアクセスの53%はボット(自動で動くプログラム)でした。自社の商品ページに来ているアクセスも、すべてが人とは限らないということです。
そのうえ、人そのものも来にくくなっています。AIはWebのページを何千、何万と読みますが、答えはAIの画面の中で出てしまうため、そのページまで人が来ることはほとんどありません。
検索から商品ページに来てもらう。自社でサプリや化粧品、食品を売っている社長の多くが、そうやってお客さんと出会ってきたと思います。その前提が、いま揺らぎ始めています。
変わったことは、もうひとつあります。AIで文章も、顔も、声も作れるようになり、ネットに"作り物"があふれ始めたことです。
検索から人が来ない。来ても、なかなか信じてもらえない。そんな時代に、商品はどうやって売ればいいのでしょうか。
2009年から通販動画をつくり、テレビ通販の現場にも関わってきた私たちが、ネットの変化を見ていてあらためて思うことがあります。"人が何かを信じるきっかけ"は、昔からそれほど変わっていない、ということです。検索から人が来なくなる時代に、商品が売れる動画で守りたいことを、4つにまとめます。
1. "誰が言っているか"を、画面に出す
海外では、ビデオ会議の相手が全員AIで作られた偽物で、大金をだまし取られた事件も起きています。画面の向こうにいるのが本物の人なのか、見分けがつきにくくなっているのです。そうなると、誰が言っているのかわからない情報は、信じてもらいにくくなります。
サプリや化粧品、食品は、体に入れたり、肌にのせたりするものです。買う前に「誰が、どこで作っているのか」を気にするお客さんが、もともと多い商品です。だからこそ動画では、"誰が言っているか"を見せることが大切になります。
- 食品なら、畑や厨房で作り手が話す姿
- 化粧品なら、開発した人が自分の手にのせて試すところ
- サプリなら、その原料を選んだ理由を話す社長の顔
作り込んだ言葉より、"実在する人"が見えることが、信頼の材料になります。作っている人が見えると、買う前の「大丈夫かな」がひとつ減ります。その一つが、購入ボタンを押すまでの距離を縮めてくれます。
2. お客さまの声は、手書きのまま見せる
サプリや化粧品の通販で、よく使われてきた手法があります。商品をモニターの方に使ってもらい、感想を集める。その感想を、手書きのアンケートのままテレビの画面に映し、「皆さん、こういうことを言ってくれています」と伝える方法です。
お付き合いのあるメーカーさんでも、実際にこの方法で信頼を得ています。テレビだけでなく、ラジオのコマーシャルでその声を読み上げているメーカーさんもいました。
売り手が言う「いいですよ」より、使った人の「よかった」のほうが、買う前の背中を押します。しかも手書きの文字には、"人が書いた"という手ざわりがあります。文章をAIで作れる時代だからこそ、この手ざわりの価値は上がっていくと思います。
お客さまの声は、整えて書き直すより、書かれたままを見せる。自社にアンケートやお便りが残っているなら、それはもう動画の材料です。掲載の許可をいただいたうえで、そのまま映す。ナレーションで読み上げる。それだけでも、1本の動画になります。
3. テレビ通販のように、こちらから届けに行く
テレビ通販の強みは、お客さんが検索をしなくても、番組の中で商品に出会えることです。テレビの番組やCMは、放送局の審査(考査)を通ったものだけが流れます。誰でも書き込めるネットとは、仕組みが違います。
私たちの実感でも、特に50代、60代の方は、ネットよりテレビを信用する方がまだまだ多いです。それに、テレビはお客さんが"受け身"で見るものです。自分から調べて読むネットの文章より、流れてくる映像のほうが気持ちに入りやすい場面があります。
検索で探す人は、ほかの商品と並べて、価格で比べることが多いと思います。番組の中で出会った人は、まず商品の話に耳を傾けてくれます。
この考え方は、テレビに出なくても使えます。比べられる前に、商品の話を最後まで聞いてもらう。メルマガやLINE、定期購入のお客さんへのお便りなど、こちらからお客さんの手元に届く場所で見せる動画を、1本用意してみてください。
4. 同じ悩みを持つ人が、前向きに変わっていく姿を見せる
テレビ通販では、商品の説明より先に、同じ悩みを持つ方が登場することがよくあります。その方が自分の言葉で悩みを話し、商品を使って、少しずつ前向きになっていく。見ている人は、その姿に自分を重ねます。
「自分と同じ悩みの人がいるんだ」「この人は、こんなふうに変われたんだ」「じゃあ、自分も変わりたい」
人が商品を買うのは、スペックを理解したときより、"自分もそうなれる"と思えたときです。見る人が、自分を重ねられる人を映す。
自社の動画でも、すぐにできることがあります。愛用者の方に話を聞くとき、「よかったです」で終わらせず、使う前に何に悩んでいたかから聞くことです。悩みから話が始まると、同じ悩みを持つ人が、自分のこととして見てくれます。
ただし、見せ方には薬機法や景品表示法のルールがあります。体験は"その人の実感"として伝え、言える範囲でつくることが前提です。商品が売れる動画は、商品の説明より先に、見る人の気持ちを動かしているものだと思います。
自社の動画を見直す3つの問い
- 作っている人、または使っている人の顔が、1回でも映っているか
- お客さまの声を、書き直さずに、そのまま見せているか
- こちらから届けられる場所(メルマガ、LINE、定期購入のお客さん)に向けた動画があるか
1つでも足りないところがあれば、そこから足してみてください。
ネットがAIで変わっても、人が人を信じる理由は変わりません。むしろ、作り物があふれるほど、本物の人の声は届きやすくなります。商品が売れないのは、動画の出来ではなく、"本物が見えていない"からかもしれません。
テレビ通販が長く続けてきたことは、これからのネットの動画にも、そのまま使えると思います。自社の動画に何を足せばいいか迷ったら、お気軽にご相談ください。
商品と、今困っていることを送ってください。担当者からメールでご連絡します。
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